
なんとも素敵なタイトルばかり…片岡義男の小説です。
多分、バイクに乗り始めた二十歳頃からのお気に入りで文庫本が出る度に買っていたような記憶です。
バイク・風景・季節・ツーリング・男と女の会話 どれをとっても素敵な文章、描写で作者の言おうとすることに
同調できるし感性が同じなのかなぁ。
これを読んでバイクツーリングに対する思い、憬れができたような気がします。
停留所のスペースの一番端に、電話ボックスが立っていた。電話ボックスの手前に
オートバイが一台、止まっていた。。750CCの4気筒エンジン、車重が240キロの重量だ。車体の左側から
夕陽をうけ、クロームメッキの部分がオレンジ色に染まっていた。
電話ボックスといっしょに、そのオートバイは、コンクリートのうえに鮮明な黒い影を長く落としていた。
オートバイのライダーは、電話ボックスの中で電話をかけていた。右手で受話器を持って電話機に背を向け
折りたたみ式のドアをいっぱいに開き、体で押さえ込んでいる。
「しょうがないんだよ」
と、彼は、送話口に言った。
「ロングを走りたくてなって、またがってエンジンをかけたら、もうとまらないわけだよ。ひとりで長距離を走るのにぴったりのオートバイだし」
夕陽を浴びているオートバイを、彼は正面から斜めに見下ろした。…(サマータイム・ブルーより)CB750にはじめて乗った時に同じことを思い…今のCB750 RC42を買いました。(文章を覚えていた訳ではない)
「春さきから秋ふかくにかけての、オートバイによるソロのロング・ツーリング。これは、ほかにちょっとたとえようのない、比較するもののない、素晴らしい世界だとだけ、ここでは書いておこう。」と語っている。
まさにこれからの季節なわけだ。 仲間では夏に北海道へ行く話をよく聞く。素敵な事です。
僕は今年は東北へ走りたいとおもっている。東北はバイクで走ったことが無いのだから。
どんな道や風景と巡り合えるか…ワクワク♪
写真の左からの3冊 長篇連作シリーズ・オートバイの詩
発刊順
(1)ときには星の下で眠る 秋
(2)幸せは白いTシャツ 夏
(3)長距離ライダーの憂鬱 春
実は(4)淋しさは河のよう 冬 が出ていない。
今でも待っているのだが…
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